文科省の公開データをもとに、令和二年度 科研費 機関別ランキング(10億円以上)を作成してみました。
データは、機関数が膨大であるため今回は10億円以上としました。
トップ10の顔ぶれは東大を筆頭に指定国立大(旧帝大)が続き、その後に理化学研究所、東京工業大学、筑波大学でした。
特筆すべきは東京大学の予算額は京都大学と約85億円もの差があります。85億円の科研費は、名古屋大学の科研費よりも多いのですから、なおさら凄さを実感できると思います。
その後の順位を見ると、ここで初めて私立大学の慶應義塾大学が11位で登場します。慶應義塾大学は東京歯科大学との統合(予定)がニュースとなりました、医歯薬の相乗効果で今後予算が増えていくかもしれません。
早稲田大学(13位)は、医歯薬系がないにも関わらず、総合大学である広島大学・千葉大学よりも多く予算が配分されていることに驚きました。それだけ、優秀なスタッフを抱え、素晴らしい研究が行われているのではないかと推察されます。
なお科研費は、申請区分がいくつかあり、その申請区分によって予算が大きく変わるという特徴があります。ですので、大規模プロジェクト予算の枠で予算が取れた場合、その大学の配分総額が特異的に変化(増加)することがあります。
よくあるケースとしては、世界的な業績をあげている研究者が違う大学に移籍する場合です。東大がこれだけの予算を獲得できるのは、優れた業績をあげた研究者が日本最高峰の学術機関である東大に移籍するというのも要因の一つではないかと思います。
科研費の順位で個人的に気になったのは立命館大学の順位(23位)です。私立大学では、早慶に続きNo3で、東京理科大学よりも上です。医学を持たない大学でこれは快挙と言えるでしょう。立命館大学の科研費獲得についてはまた改めて記事にしたいと思います。
大阪市立大学と大阪府立大学は、2020年4月に大阪公立大学(仮称)として統合予定です。
仮に両者の大学が統合したらどうなるかということですが、単純に予算を合算すると
①大阪市立大学:10.6億+②大阪府立大学:11.8億=③大阪公立大学(仮称):22.4億
となり、17位:金沢大学(21.6億)< 大阪公立大学(仮称)(22.4億) < 16位:
岡山大学(23.9)億の間となります。
ただ組織は、統合したからといって単純に合算するものではないと私は思っています。
統合するからこそ組織の効率化の観点から重複する部分を排除することによって予算が減るることもあるでしょうし、逆に統合することで、新しい知見が創成されることにより予算が増えることもあるでしょう、私は後者であると考えています。
科研費のデータだけみでもいろいろな考察ができたかと思います。今回は機関別の科研費配分額にフォーカスし色々考えてみましたが、他にも採択率、区分別採択数、1件あたりの配分額等いろいろな角度からデータを読み解くことができると思います。
余力がありましたら追々分析を試みたいと思います。
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